「日日是好日」の映画を観てきました。
樹木希林さんの遺作にもなった映画。
お茶の世界が人生とダイレクトに繋がった素敵な映画でした。
私の母がお茶の師範だったこともあり
2年ほど前まで
生徒さんと一緒にお茶を習っていました。
この映画のように
最初、型から入るお茶の世界に戸惑い、難しさと窮屈さを感じたのに
体が自然に所作に馴染んでくると
この作法がなんて美しく合理的なのだろうと思えてきて・・・
季節に合わせた一つ一つのお道具や心遣い。。。
たった一杯のお抹茶を頂くことの中に
目では見えないけれど、本当に大切な想いがあるから
そんなお茶の「心」のようなものが見え始めたような気がした時
母の体調の限界がきてお稽古が終了してしまいました・・・
そして、生徒さん達との大事な時間がなくなってから
母の認知症が少しづつ進んでいきました。。。。。
映画の中で、お茶の割り稽古をしているシーンが沢山出てくるのですが
そのたびに、「あ~・・母も、あんなふうに言ってた、こんな風に言われた・・」と
母の声が聞こえてくるようで
今は日々ほとんど傾眠状態が続く母を想い
なんだか涙が止まらなく・・・
泣くシーンではないのに、ずっと泣いていました。
体が動くときに動き
やりたいことをして
会いたい人に会って
食べたいものを食べ
私達はなんと贅沢な生き物でしょう
それなのに
ないものやできないこと、マイナスなものに目を向けてばかりで
今在る幸せに気づかないでいるなんて
なんと勿体ないことでしょう
雨の日も 日照りの時も 大風の時も
元気な時も 病の時も 嬉しい時も 悲しい時も
ただこの「今日」という日を味わい生きていられることのありがたさ
日々を丁寧に生きることを教えてくれる映画でした。
(母 鹿野久仙 2014年 お茶のお稽古で)