先日、父母の62回目の結婚記念日でした。
来年1月で90歳になる父と、認知症が進行してきた母の
互いを見る眼差しは
長い年月を共にしてきた信頼の証
夫婦や家族というものから私たちは
特別な愛の学びや成長という得難い経験をします。
ここ10年、母の癌という病気から始まり今日まで
互いを思いやりケアし、助け合いながら
愛の本質を与え、そして受け取るという"愛を学ぶ機会”を与えられています。
今、母の体重は27キロくらい
癌の再発から放射線治療
そして今は癌はなくなったものの
非結核性抗酸菌症という病気と共存する毎日
免疫の弱った体には
度々の肺炎や感染症・・・
入退院を繰り返す毎日でした。
今年1月に骨折をし、さらに歩行が難しくなると
日に日に毎日の生活が一人では困難になってきました。
そんな母を支える父と私達家族
父母とは別居の為
ケアマネさん、ヘルパーさん、訪問看護師さん、内科や皮膚科、歯科などの往診のドクター達
散髪に来てくれる床屋さん、介護ベッドやその他の機器を扱うメーカーさん
そして最近は父の負担を考えショートスティを利用するようにもなり
本当に多くの方々のサポートを受けながらの毎日です。
日々、何も考えなくとも当たり前にできていること
それが自力でできなくなって初めて
人が毎日、自分の身体を世話し、動かせることって
どれだけ凄いのだろうと実感します。
当たり前のようにご飯が食べられ
おトイレにも行け
お風呂にも入れる
行きたいところに歩いて行ける・・・
どれだけ私たちの身体は素晴らしいのだろう
と感じずにはいられません。
そして、色々な記憶や認識が頭の中で交差し
今が朝なのか夜なのかもわからなくなってきてしまった母は
「自分の頭はどうしちゃったんだろう」と悩み
父は最初、そんな母を受け入れることができなくて
母を否定するような言葉を言っては
母が傷つき悲しんでいる姿も沢山見てきました。
それでも母の"可愛いボケ”は皆の笑いを引き出します。
夕方来たヘルパーさんに「朝早く悪いですね~」と言ったり
朝のヘルパーさんには「夜は寒くなるから暖かくして帰りなさい」と言ったり
何年も前に行った旅行の話を「昨日〇〇に行って楽しかったね~」と言ったり
「過去は忘れるの。今日から新しい自分」と言って、すごく前向きだったりもします
そして母の口からはいつも感謝の言葉がでてきます。
(時々は父に対する愚痴はでるけれど^^;)
色々な人がそれぞれの立場で関わってくれ
沢山の目がある
それは時に煩わしく疲れることもあるのだけれど、
とてもありがたいこと
そして関わってくださる人たちが皆やさしく
本当に親身になってくださる方ばかりで・・・
頭がさがります。
もともと、寝たきりだった義父母の世話、実母の世話をしてきた母は"愛の人”で
"愛の人"である母の元には
やはり愛の本質を持った人達が集まってくるのかと思ったりもします。
人を世話し、世話される・・・その両方を通し、
今世、母の魂は沢山の愛を経験している。。。。
そして私が今、同じように母が与えてくれるこの経験で
愛の本質を学び成長している
目や足が悪く、本当は自分がケアしてもらいたい父
超心配症でもある父の話と愚痴を日々聞かされるのが、
今の私の最大の試練でありますが
それでも一生懸命に母の毎日の世話を頑張る父の姿にも
本当に頭が下がります
人生を大きな視点で見てみると
目で見え耳で聞こえているもの、起こっている状況の中には必ず
魂の為の大切なギフトが散りばめられていることに気づきます。
今は、こんな視点を自分が持てていることにも感謝かもしれません
それにしても
2年前、車の免許を取得してよかったなぁ~
実家へ行く道のりだけは時速60キロまで出して走れるようになりましたから(笑)